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【チベッタン・ヒーリング:梅野泉】No6_地水火風空は、どこでもドア。5つの扉を開けると、そこには?

 レオナルド・ダヴィンチが水辺に出かけては多くの「水のスケッチ」を残した、というのは有名な話です。自然界の摂理、原理原則、それを「水」を通してつかみ取ろうとした。流れる水の一瞬一瞬、渦巻く水の勢いの激しさや中心と周辺の関係、たとえばそうした水の様態に目を凝らした天才画家のあくなき探求心は、身体や宇宙の成り立ちへとも向けられ、数々の傑作を生みだしたと言えましょう。

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 天才だから、というわけではない。人が、生きている喜びを感じる大きな要素に、探求心が真っ先に挙げられるのではないか、と私は思うのです。
 私にとっては裸足で歩く海辺の砂の向こう側にある見えない何か、海に沈む赤い夕陽、その海に溶けるような赤い光の中にある何か、手に触れて感じる木の葉や草のその向こうでひっそりと姿を隠して発見されたがっている何か、そして、その何かとは、森羅万象の源であり、現象はすべてつながりあってるという幼い頃に抱いた直観が、現象の、この宇宙のすべての源を発見したい、という探求心のもととなりました。
 それを目の前に顕してくれたのがアヤン・リンポチェの「意識の転移」の教えであり、テンジン・ワンゲェル・リンポチェの著書“Healing with Form ,Energy and Light”
[チベッタン・ヒーリング~古代ボン教・五大元素の教え]の核心「五大元素=地水火風空」だったのです。

 まず「水」の扉を開けてみましょう。
 喉が渇き、身体の水分が不足していることをキャッチすると、水を飲む。心の水分が不足すると、まさに心が渇いているという感覚がやってきますね。どうすればよいか?自然界の水に触れに行くとよいのです。心が求める場所に行きます。水のポジテイィブな性質を受け取ってみてください。海の豊かさや、山の水の清らかさ、せせらぎの音、流れ落ちる瀧の勢い、水という潤い、そこで出会うよき性質を自分の中に呼吸とともに取り込みます。木の葉の上にのった一滴のしずくからすらも、その丸み、光を受けた輝き、ひとしずくの中に大きな世界を映し出す鏡のような働き・・・・を受けとることができるでしょう。

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 その場所にまで行けない場合は、自分にとっての海や川、瀧や湖を想像して呼吸とともに水と一体となるだけでもよいのです。
 ただそれだけで、癒しが起こります。
 まさに「愛は水、器に従いその形をとる」。その時のあなたにふさわしい形で、水は愛となって、あなたに流れ込むでしょう。
 チベットの教えには、自然界の比喩を多用して詩として伝えるものが多くみられます。
 究極の真理は、概念を超えたものだからです。言葉で言いあらわすことが出来ないものを、ぎりぎり,詩という表現で伝え、そこから私たちは本質をつかみ取っていくのです。
 ここに一つ、水を比喩とした教えの詩を書き留めておきます。
 これは、マハ―ムドラーという密教最高の教えをアヤン・リンポチェから伝授されたときに聞いた詩です。大変苦しいい心境だったとき、これを聞き、心が溶けてゆくのを感じました。聞いたのは英語でなのですが、日本語の翻訳を試みました。

 はじめには、瀧のような激しさのなかにあるが
 なかほどでは、ガンジスの流れのようにゆったりとおだやかに
 終わりには、広大無辺な海となる
 その海で、息子と母の光はひとつに溶けあう

これは、修行を始めたばかりのころから、マハームドラーを成就するまでの心の様相を水に喩えた詩です。この4行で、修行の段階がすべて言い表されている。
特に修行と限定した考え方ではなくても、日常の心の持ち方に応用できるものです。
その解説はアヤン・リンポチェとの話を織り交ぜながら、次回にさせていただきますね。(文責及び画像は梅野泉による)

 

チベッタン・ヒーリング―古代ボン教・五大元素の教え

チベッタン・ヒーリング―古代ボン教・五大元素の教え

  • 作者: テンジン・ワンギェルリンポチェ,Tenzin Wangyal Rinpoche,梅野泉
  • 出版社/メーカー: 地湧社
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