『湧』<blog magazine> nishitakesi

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【湧】人間の自然能力No11

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竹居  例えば、「あの窓閉めておいてね」と言って出掛けるとします。帰ってみたら窓が閉まっていなくて怒るという時、相手が「うん、閉める」と言う、こちらの言うことをきちんと受け取ったという感じを確認していなければ、そんなこと言わなかった、聞かなかったとなってしまいます。
 最終的に突き詰めていくと。「見る」というレベルなのです。実際にそこに目をやっていなくても、私の言う「見る」レベルでは、その大は相手の中身の情緒の変化まで見られるようになるのです。遠くに離れていても、ある人の状態がわかるのを皆さん気のせいにしてますけど、本当は見ているのですよ。
 そして、それだけ見るレベルを自分の中で上げていきますと、見えないものが見えてきます。はじめは、見えないものが見えなく見えてきます。その次には見えない状態が見えて見えてくる。
増田  見えるというのは、どういうことですか。
竹居  一番やりやすいのは、足の指か五本全部見えているかどうかです。たいてい薬指や小指が消えてしまっていたり、あるいは上側は見えるけど下側は見えないとかあって、最初から全部見えている人はなかなかいません。そうしましたら、見えない部分を、それが全部見えてくるまでじっと見ているのです。そうするとわかってくるはずです。

 実際に自分の体の見えないところを目をつぶって探すというだけで集中してくるのです。何かをじっと見るということは、生きることの基本です。それなのに気が抜けてしまって、見ていないのです。

見ていなくても、自分の足で歩いていなくても、かりそめに体を動かしているつもりだけで生きられるような世の中ですからね。このような能力というのは、余計なものをふるい落としていけば皆さんにあるんですよ。

 整体協会の稽古場では訓練として、和紙を破らないようにしてその上を能のすり足で歩くことをするのです。足を浮かさないで滑らせるようにして、五時間くらいやると汗びっしょりです。さらには、和紙の上で寝たり起きたり、ほとんど猿飛佐助の世界です。そうやって集中力を養うのです。その時、体が消えているんです。消えるということは、全部見えた後で消える、本当に存在感のある存在から、それが無になる。我を超えるということですね。
永沢  その場合、消えかかっていて残っているという時は、どうするのですか。
竹居  見えなかったところが残るんです。
永沢  ええ、その残るところ、つっかえているところの処理は、どうするのですか。
竹居  全部の中でそこが見えない場所です。他が消えた時に、見えないところが出てくる。それは、あなたはそこを見なさいということですから、そこをじっと見ていればいいんです。そうすると消えていきます。消す技法はあるのですけれど、私はそれは邪道だと思います。技法を使ったら何にもならないですもの。
永沢  判断しないで見ているだけですね。

竹居  その見るレベルが上かっていけば消えていくんです。ですから、それを目安にすれば、自分の見るレベルは浅いのだとか、識別の世界で見ているのだとかがわかります。だんだんレベルが上かって集中度か高まっていくと消えていきますから。
永沢  開い气流れてくるということですね。
竹居  自分の中のこわばっているところとか、止まっているところとかが、うまく宇宙のリズムの流れに乗ってくるということです。

 体の中には時間的身体と空間的身体があります。時間というのは、脈を打っています。生命というのは、一刻も止まることなく流れている。それは宇宙と同じです。その時間的身体と空間的身体があるわけです。その両方が一緒になってはじめて、身体というものになるのであって、どちらか片方ではいけないのです。識別の世界も識別しない世界も一緒にみんな備わっていて、それかうまくバランスを取っていれば、いつも即興的に使い分けることができる。けれど片方に働きが倔ってしまうと、例えばモノ人間になっでしまうのです。

 そして身体の中でここは時間的身体、ここは空間的身体とか部分的にあるのです。それが例えば時間的身体のところが空間的身体になってしまっているのを調整して、時間的身体に直していくと、宇宙の流れに乗っていって、自分の体を自分で調整できるようになるわけです。
 私が個人指導しております潜在意識教育というのは、宇宙のリズムに合う状態になるように手を貸すことによって。その人が自分の力で変えていけるようにするのです。ただ、ここが外れていますよと、体に一度、教えるのですね。一回ではすぐに直るということはないのですけれど、これを月に一回、一年くらい続けて教えていく气体が覚えて、ずれてくると体の方が自分で勝手に変えられるようになってくるんです。まさに潜在意識、意識できないところでの変化です。
 そしてその調整ができるのが、半音の世界。正音になってしまうと調整できません。

(湧1997年11月・12月号再掲)HeungSoonによるPixabayからの画像