『湧』<blog magazine> nishitakesi

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【ポエタロ:覚和歌子】「火」ショートショート・エッセイ 

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バリ島のケチャックダンスでは、炎を真ん中に60人からの男たちが車座になって蛙(別説では猿)の鳴き声で唱和する。

ダンスの終盤、若鹿の小道具を背負った男が裸足で炎を蹴散らす。

熱さを感じないのはトランス状態になっているからだという。

さぞや事後の心身への負担も激しいことだろう。

そもそもは儀式の中で神とつながるためのトランスなのに、物見遊山の観光客相手に同じ状態になることは危険じゃないのだろうか。

神ではない別の何かと通じてしまったりしないのだろうか。

などと思いながら見つめる私も観光客の一人だった。

(ポエタロガーデン 再掲)123koehlerによるPixabayからの画像