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【湧】スピリチュアル・レボリューション

~物質主義ではない、スピリチュアルとは~

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 環太平洋圏の文明の時代が来た、ということが話題となって久しい。日本、アメリカ、オーストラリア、中国などを合わせるとこの地域は、資源、技術、消費という現代の物質文明を発達させる基本条件を豊かに備えているから、かつてのヨーロッパ文明にとってかわって栄えるであろう、といわれている。

 けれども一方、この太平洋をはさんで向かい合った東西の異質な精神文化を携えた人々が、物質主義に準拠した既存の組織とかかわりなく、静かな交流を始め、全く別の新しい時代を開こうとしている。

 先般この太平洋を越えて対岸のアメリカを訪ねた折に、その精神風土の違いをこえて人間の存在の根底を流れている深い英知に学ぼうとしている人々の姿を多く発見し、そこにこの国の新しい鼓動を感じたのである。

 東西を問わず歴史のなかで、目先の物質至上主義にとらわれない、精神的・宗教的=スピリチュアルな素質を持った人々がいたが、それは組織や物質主義と巧みな共存をなしえた人か、受難の猛火の中で強靭な力を持ったごく限られた一部の人々であった。

 しかしいま、無差別に核爆発の脅威にさらされた時代になって、その様相は急速に変化して、そのスピリチュアルな世界を特定の立場をもたない名もなき多くの人々が求めはじめている。

 その証の一つとして、アメリカの西海岸に住むマリリン・ファーガソンは、このような新しい自覚をもった人々の存在をつぶさに調べて『アクエリアン革命』(松尾弌之訳)で詳しく報告した。そしてさらにこれを代弁したかのような、シャーリー・マクレーン著『アウト・オン・ア・リム』(山川紘矢・亜希子訳、地湧社近刊)はスピリチュアルな世界の到来を予告し、数百万人のアメリカの組織なき読者から同意を取りつけて、いまミリオンセラーとなっている。(M)

【月刊「湧」1986年1月号巻頭言(再掲)】