『湧』<blog magazine> nishitakesi

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ポエタロ

【ポエタロ:覚和歌子】「電波」ショートショート・エッセイ

これを書いている今、地球の裏側のリオデジャネイロで熱く催されているオリンピック。 電波のおかげでリアルタイムで観戦できる。 って、昭和の人みたいだが、みたいじゃなくてまぎれもなく昭和の人だった、私。 ときどき忘れる。 それにつけても2020年であ…

【ポエタロ:覚和歌子】「女」ショートショート・エッセイ

男尊女卑がまかり通って、世の中は、自然環境も世界平和も福祉も教育も経済ですらこんな体たらくである。 21世紀は、精神と芸術と女性の時代という。 女は感情的だが、戦争をしようとはつゆ考えない。 (ついでに言うとほとんどのアーティストも戦争したがら…

【ポエタロ:覚和歌子】「穴」ショートショート・エッセイ

山でひとりで仕事をしていると、夕方5時になるのが待ちきれないのである。 缶ビールである。 ぷしゅ、なのである。 東京にいると欲しくならないのだが、恐るべし、山のチカラ。 じゃなくて、車がなく免許もなく引きこもりになるしかないから、楽しみが限定さ…

【ポエタロ:覚和歌子】「贈り物」ショートショート・エッセイ

31歳、厄年であった。 失恋して同時に仕事がまったく来なくなった。 鬱っぽくなって、死ぬのだけは違う、と思いながらキツイ10ヶ月を過ごした。 その10ヶ月のうちに、これから死ぬまで何一ついいことがなくても大丈夫だ、という生きる自信のようなものを得た…

【ポエタロ:覚和歌子】「神殿」ショートショート・エッセイ

神社と言えば佳き場所と思い込んでいた時期があった。 願い事を持って人が集まりがちな空間は、執着の思念でケガれている場合もあるのだということが分かったのは、都内のある神社でどろっとした気配を感じてからだ。 またあるいは、なんでもない観光地(ロー…

【ポエタロ:覚和歌子】「風」ショートショート・エッセイ

毎夏米国バーモント州ミドルベリー大学で授業を持たせてもらって3年になる。 今年は寄宿棟と教室棟と食堂の位置関係が変わって、日本とはスケールの違うだだっ広い大学の敷地内を徒歩でせっせと移動した。 時差ボケで早く目が覚めてしまって朝食を摂りに歩く…

【ポエタロ:覚和歌子】「さなぎ」ショートショート・エッセイ

ポエタロが売れ出して、いろいろなリーディングレポが届くようになった。 「さなぎ」は、将来に具体的な夢を描いている(特に若い)人たちがよく引き当てるようだ。 <まだまだだよ、もうちょっと熟成しよう>と言われたら、 若い頃の私なら自分が否定されたよう…

【ポエタロ:覚和歌子】「渦」ショートショート・エッセイ

帯を解かれながら「あーれー」と叫んでくるくる回るギャグを誰でも一度はやったことがあるはずだ。 あ、言い過ぎか。 誰でもはやらないね。 わたし結構好きです。 イスラム教は「回教」とも呼ばれて、一説にはスーフィーのくるくる回旋する舞踊が語源だとも…

【ポエタロ:覚和歌子】「花」ショートショート・エッセイ 

「花を嫌う人はいない」と思っている人は多いが、ほとんどの男の人はそれほど花を好きじゃない。 どうでもいいと思っている、たぶん。 花はともかく、自分が好きなものを他人も絶対好きだと疑わない人はたくさんいて、その思い込みの凄まじさに驚くことがよ…

【ポエタロ:覚和歌子】「幽霊」ショートショート・エッセイ 

このあいだ女子会の途中に出てきた友人の亡父は、(もちろん私には見えないんだけど)見えないなりにイメージ伝達力がすぐれていて感心しました。 ”感度”のいい(そして生前の彼を知らない)別の友人に「豆絞りのてぬぐい」を思い浮かばさせて「ユキコの父です」…

【ポエタロ:覚和歌子】「線」ショートショート・エッセイ 

現代詩の領域から見ればポップスの世界で作詞の仕事をする私はよそ者なのだと思う。 自由詩:作詞の仕事比率は6:4ぐらい。 一方音楽業界からは「千と千尋」主題歌作詞のイメージのせいか恋愛の詞を書かない作詞家だと思われている。 恋愛詞:それ以外の詞の比…

【ポエタロ:覚和歌子】「火」ショートショート・エッセイ 

バリ島のケチャックダンスでは、炎を真ん中に60人からの男たちが車座になって蛙(別説では猿)の鳴き声で唱和する。 ダンスの終盤、若鹿の小道具を背負った男が裸足で炎を蹴散らす。 熱さを感じないのはトランス状態になっているからだという。 さぞや事後の心…

【ポエタロ:覚和歌子】「口紅」ショートショート・エッセイ 

真っ赤なルージュは飲食時も接吻時にも着替えのときにも明らかに不便。 結婚式にも入社式にも成人式にもほぼ相応しくないし、真冬の唇が乾くときにも真夏の海で泳ぐときにも役に立たないどころか、崩れたときのややこしさはほとんど取り返しがつかない。 濃…

【ポエタロ:覚和歌子】「扉」ショートショート・エッセイ 

ずいぶん昔、慌てて開けた玄関扉の角で、待っていた叔母の右足親指を怪我させてしまったことがある。 叔母は裸足のサンダル履きで、明くる日テニスの試合に出場することになっていた。 「いたたたったったっ」とケンケンした叔母の苦しみよう。 試合の結果は…

【ポエタロ:覚和歌子】「塩」ショートショート・エッセイ 

~ガッツの象徴?~ 「血と汗と涙の結晶」はよく考えてみると塩のことである。 努力はいつでもしょっぱいのである。 塩はいのちを支えるが、摂りすぎると血圧が上がる。 暮らしにおいては浄化の立役者だが、同じように見えても脳を巡らせつつカラダを冷やす上…

【ポエタロ:覚和歌子】「酒」ショートショート・エッセイ

~酒、やめました~ お酒を飲むと訪れる全能感が楽しくて、二日酔いを通り越し三日酔い四日酔いしていた20代。 若い身体は大きな不調も起こさずに、安いアルコールをなみなみと受け入れてはせっせと代謝してくれていた。 お酒が見せてくれたかりそめの理想形の…

【ポエタロ④解説シリーズ】ポエタロの引き方

もちろん最後は、ポエタロの引き方です。 1.オラクルカードとは?2.なぜ、ポエタロ? 3.ポエタロとは4.ポエタロの引き方 【カードを引く前に】 ①呼吸を静かに整えて、心身のリラックスを感じてください。 深呼吸してみてください ②ひとまとめにした…

【ポエタロ③解説シリーズ】ポエタロとは?

またまた続きで、「ポエタロ」とは、どんなカードなんでしょうか。 1.オラクルカードとは?2.なぜ、ポエタロ?3.ポエタロとは4.ポエタロの引き方 真剣で切実な問いかけを持っている人が、任意で引く、短い詩の文言の書かれた47枚のカードのことです…

【ポエタロ ②解説シリーズ】なぜ、ポエタロ?

前回の続きで、「ポエタロって、何」です。さてさて、覚和歌子さんが「なぜ、ポエタロ」を作ったのかが明かされます。 1.オラクルカードとは?2.なぜ、ポエタロ?3.ポエタロとは?4.ポエタロの引き方 2.なぜ、ポエタロ? 千と千尋の神隠しの「いつ…

【ポエタロ①解説シリーズ】オラクルカードとは

そういえば、「ポエタロって、何?」を説明せずに、覚和歌子さんのショートショートエッセイを掲載していました。 すみません <m(__)m> ではでは、難しいことは横に置いて、短く分かりやすく(?)解説していきたいと思います。 内容は受け売りで申し訳ないですが、4</m(__)m>…

【ポエタロ:覚和歌子】「トンネル」ショートショート・エッセイ 

~トンネルの向こうにあるのは?~ 3歳まで住んでいた祖母の家の近くに古いトンネルがあった。 踏み入って半ばまで歩いたところででたらめな声を出すのが好きだった。 おわんおわんというような反響にゾクゾクしながら、行こう、とせがんで何度も祖母に連れて…

【ポエタロ:覚和歌子】「巻尺」ショートショート・エッセイ

~未来を測る巻尺はあるのかな~ 好きな道具の一つ。 小さい家なので家具っぽいものを買う時には寸法をかなり精密に測って購入する。 引越し当時は常に巻尺を持ち歩いていた。 無印良品の白くて小さな正方形のやつ。 縦に横に巻尺をあてて家具のサイズを測りな…

【ポエタロ:覚和歌子】「夢」ショートショート・エッセイ 

~私の妄想は、30%ぐらい~ よく眠る方だ。寝る子は育つ。 いまさらわたしに何が育っているのかと思うとちょっと怖い。 もし夢がイマジネーションと同義なら、そっちは日々めきめきと豊かに進化していて、その豊満さがゆえに要らぬ苦しさも抱えてしまったりも…

【ポエタロ:覚和歌子】「妖精」ショートショート・エッセイ 

~漫画家はいませんが、妖精の気配見える?~ 中学の同級生に漫画家がいるのはうれしい。 これがまたすごく巧みでセンスのいい漫画家なので余計にうれしい。 その彼女が中学時代、あの有名なイギリスのコッティングリーの妖精写真を見ながら「会いたいよう」と…

【ポエタロ:覚和歌子】「香水」ショートショートエッセイ

~昔は柑橘系でしたが、今は興味がなく。。~ 80年代に<エゴイスト>とか<ポアソン>という名前のオードトワレがリリースされて(たぶん今でもある)、当時の私の生息領域には向こうっ気の強い欧米の香りが漂っていた。 香りの脳への刺激効果が絶大であることと、…

【ポエタロ:覚和歌子】ショートショート・エッセイ 「本」

~ ひとはなぜ本を読むのだろう。 いい文章を味わいたくて。 物語にうつつを抜かしたくて。 何かを知りたくて。知りたいことが何かを知りたくて。 本に目を落として集中しているひとの表情は、たぶんスマホでゲームをしてるひとのそれより風情が深いんだろう…

【ポエタロ:覚和歌子】 ショートショート・エッセイ 「声」

~録音の声(歌)より、生で聴く方が感動しますね~ 言葉の3要素である文字、意味、音声のうち、三つ目に重心をかけている詩人をオーラル派と言ったりします。 詩において文字と意味はあって当たり前なので、その先の響きとか波動とかに言及することは詩を立体…

【ポエタロ:覚和歌子】ショートショート・エッセイ 「鏡」

~凄い作品が生み出される瞬間とは~ 「が=我」を消すと「かみ=神」になるというのは、よく言われています。 神社の本殿に丸鏡があるのは、だから「自分の中に神がいる」ということを意味しているのだと思います。 「神」に出会うには、瞑想などによって自分…

【ポエタロ:覚和歌子】 ショートショート・エッセイ 「歌」

~退行睡眠ワーク、やってみたいなぁ~ とある心理学の先生に誘導してもらって、 退行催眠のワークをした時のことです。 生まれる前に戻って、胎児の自分がこれから 生まれることについてどう感じているか、 という設問に対して、 「肉体を持って生まれたくな…