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【パウロ・コエーリョ】夢に向かって進むー錬金術の極意_3

今回は「すべてのものは繋がりあっている」です。「アルケミスト」で世界的に有名なパウロさんが、東京で行った講演をまとめたものです。

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(miqui saitoによるイラスト)

  1. なぜ人は旅をするのか
  2. 錬金術の意味
  3. すべてのものは繋がりあっている
  4. 兆しが語る言語
  5. 自分の運命を生きるとは?

3.すべてのものは繋がりあっている
私は1975から86年まで、十年間この錬金術の勉強をして、非常にややこしい問題やその答えに取り組んだのですが、ある日突然、物事というのはもっと単純なのだということが閃きました。そして、サンチャゴという場所に巡礼の旅に行った後、私は本を書こうと思い立ちました。物事というものはもっと単純なのだということ、精神的霊的な領域から物質的世界への投影、あるいはその逆に物質的世界から精神的世界への投影というものについて書きたいと思いました。そして、書いたのが『アルケミスト』と
いう本です。この本は羊飼いの少年がさまざまな人の幼けを借りながら、それを自分の人生に対してさまざまに投影することによって、自分の一つの命運というものを満たしていくという物語です。そして古典的な錬金術もやはりこの物語に書かれている四つのテーマが主要なものとなっています。
 最初のテーマは、錬金術師たちかアリマムンディと呼んでいるものですが、意訳をすれば「世界の魂」です。それは基本的には自分と自分の内面、そして自分の外にあるすべてのもの、自然があり他の人間がいる、そうしたすべてのものの間には繋がりがあるということです。まるで巨大なクモの巣のような、網の目のような形での繋がりを世界は持っているということを表します。
 今日、私たちはすべてのことが他のすべてに影響を与えるということがわかっています。エコロジーという考え方がありますが、熱帯雨林の勣きというものも日本に影響を与えますし、太平洋で核実験が行われれば、たとえばノルウェーに影響が出るかもしれません。そしてスピリチュアルな意味でもやはりエコロジーというものがあるということが言えます。すべてが他のすべてに影響を与えているということです。
 そこで一つの例を思い出します。私の友人でブラジル人のレコードプロデューサーが、ロサンゼルスにあるスタジオに行ったのですが、この人はまったく英語を話すことができませんでした。ある日仕事が終わった後、一人でちょっと観光しようと考えて、タクシーを拾ってビバリーヒルズに行きました。しばらくうろうろしているうちに夜になり、彼は突然自分がたった一人であることに気づいて多少パニックを起こし始めました。一時間ほどその辺を歩き回ったあと、最後の最後の手段。絶望に駆られてとにかく最初の家のドアのところに行ってベルを押しました。すると一人の男の人が出てきました。友人は自分か泊まっているホテルのマッチを見せて、タクシータクシーと繰り返したわけです。
 出てきた男性は、自分の車で私の友人をホテルまで送り届けてくれたということです。彼はアメリカ人は本当に親切だと驚きました。ホテルに着いた後、このアメリカ人は通訳できる人を見つけてきて、私の友人に「なぜ自分があなたをこのホテルに連れて帰ったかわかるか」と聞きました。そのアメリカ人は、三年前にリオデジャネイロで私の友人と同じように迷子になってしまったとき、だれかが今と同じように彼をホテルまで連れていってくれたのだと、実はこれが自分なりのやり方で、その人にお礼をしているのだというようなことを言ったのです。
 これが、表面的には直接的な繋がりのないように見えても、すべてはお互いに絡み合っているのだということを示す一つの良い例だと思います。

地湧社の月刊誌『湧』(1996年12月号)からの再掲(文責は地湧社編集による)(miqui saitoによるイラスト)

アルケミスト―夢を旅した少年

アルケミスト―夢を旅した少年

 

 
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【紅露工房便り】コマと春 ~西表島より~

こんにちは。

4月が始まり、工房では新しい研修生を迎えたり大きなワークショップがあったりと、人の流れの多い1週間でした。

 

 入り口前にて、眠そうな番犬コマ。
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ふてぶてしいお顔をしていますが、これはこれで可愛いですね。
普段は静かでおとなしいですが、来客があったときはちゃんと知らせてくれるしっかり者であり、皆の癒しの存在です。

 

 先週フランスから来た新しい研修生ジュリエット、絹のずりだしに挑戦中。
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工房近くで育てられた春蚕の繭です。ずりだしは茹でた繭から糸を引く昔ながらの方法。道具がない時代も、おばあちゃん達はこの方法で糸をとりだしました。人の手のペースで柔らかく引いていくので、お蚕が繭を吐いた時に生まれるわずかな揺らぎも糸に残ります。

 

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甘くて元気の出るフルーツをほおばりつつ、明日も制作に励みます。

西表島西部に位置する紅露工房。ここではゆったりと流れる時間の中で、毎日様々なことが起こっています。
工房やその周辺の日々のこと・旬なこと、工房スタッフがお届けします。
(文責と画像は紅露工房スタッフによる)

西表島・紅露工房シンフォニー 自然共生型暮らし・文化再生の先行モデル

西表島・紅露工房シンフォニー 自然共生型暮らし・文化再生の先行モデル

 

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